アメリカの歯医者で親知らずの抜歯をしたので、その時の経験を踏まえ、治療内容や治療後の注意点についてお伝えします。
親知らずの状態
親知らずは歯の生え方や、上下どちらの歯かなどによって、抜歯の難易度が異なります。
今回は夫が親知らずを抜歯しましたが、上の歯で、歯が半分ほど歯茎から出ていました。
下の歯より上の歯の方が、比較的抜歯が簡単と言われています。
また、歯が歯茎や骨の中に埋まっている埋伏歯は、治療が難しいと言われています。
夫の場合、親知らずの歯が歯茎から半分ほどしか出ていないため、他の歯と高さが合わず、歯磨きがうまくできていなかったそうで、虫歯になっていました。
ちなみに、筆者の周りでも親知らずを抜歯した人は多いですが、それぞれ症状が異なりました。
母の場合 完全埋伏歯 下2本、上1本
日本で抜歯しました。
歯に痛みがあったので、痛みの原因が親知らずの可能性もあると疑い、50代で抜歯しました。
通常の歯医者では抜歯できず、市立病院の口腔外科を紹介されました。
完全埋伏歯を3本同時に抜歯するため、2泊3日で病院に入院し、全身麻酔で治療を受けました。
抜歯後は頬の腫れが酷くパンパンになり、食事が辛い日が続きました。
筆者の場合 完全埋伏歯 下2本
日本で抜歯しました。
歯列矯正を考えていたので、20代で抜歯を決意しました。
また、完全埋伏歯でしたが、歯が斜めに生えていて隣の奥歯に当たっていたので、いつか痛みが生じるかもしれないと懸念していました。
通常の歯医者では抜歯できず、市立病院の口腔外科を紹介されました。
歯の根の部分が神経に近かったため、念のため2泊3日で全身麻酔での抜歯をすすめられました。
しかし全身麻酔が嫌で、母の親知らず抜歯後の辛そうな状態も見ていたので、1本ずつ局部麻酔で抜歯してもらいました。
抜歯時間は約15~20分で、麻酔や切開した部分の糸での縫合など、合計約30分かかりました。
治療中は局部麻酔をしているため痛みはありませんでしたが、歯茎を切開され歯を小さく砕いて抜かれる恐怖は感じていました。
抜糸は通常の歯医者で行ってもらいました。
1本抜いた後、2~3週間後にもう1本を抜きました。
頬の腫れも少なく、回復も早かったです。
母も1本ずつにすれば良かったと後悔していました。
アメリカで親知らず抜歯のスケジュール
事前のスケジュール
歯の定期健診で、親知らずに虫歯が見つかり、専門医を紹介されました。
歯の定期健診についての記事はこちらをご覧ください。
その後、電話で専門医に予約を取りました。
歯医者では親知らずの虫歯を指摘されましたが、抜歯になるかどうかはわからないと言われていたので、予約時の説明がしにくかったです。
予約の時には、生年月日、医療保険ID番号、親知らずの歯の位置(歯の番号)、通常の歯医者の医師の名前などを聞かれました。
歯の番号は紹介状に書いてありました。
夫は英語での電話が苦手なので、いつも筆者が替わりに電話しています。
歯科医の名前など、詳しいことは本人ではないのでわかりませんと伝えてOKをもらいました。
当日のスケジュール
1. 専門医を訪問
受付で運転免許証、医療保険証を提示しました。
2. 問診票の記入
記入に30分ほどかかりました。
全身麻酔をする人もいるためか、持病やアレルギーなどについて詳しく質問されました。
3. 個室でビデオを視聴
親知らず抜歯のリスクに関するビデオでした。
腫れや不快感、痛みが生じる可能性もあるといった内容でした。
4. レントゲン撮影
歯の定期健診時にもレントゲンを撮影し、恐らく事前にデータが専門医に渡っていますが、再度レントゲンを撮影されました。
全体の歯を撮影するパノラマレントゲンでした。
5. 待合室で待機
5分程待ちました。
今回は上の歯で歯茎から出ている歯なので、治療の難易度は高くないとわかってはいましたが、今日抜歯してもらえるのかどうか不安でした。
6. 治療室での説明
歯科医から、抜歯後に鼻をかまないようになどといった注意事項や、処方薬の説明などがありました。
レントゲンを見せてもらい、親知らずが上下4本も生えていることをこの時初めて知りました。
他の3本は今のところ抜く必要はないと言ってもらえました。
7. 抜歯
通訳も兼ねて夫にずっと付き添っていましたが、抜歯中は別室で待機していました。
抜歯自体は3分くらいで簡単に終わり、歯科医にうまくいったよと言われました。
とても優しい先生でした。
8. 抜歯後の説明
夫は抜歯した部分から出血しているので、ガーゼを強く噛んで圧迫していました。
必要に応じてガーゼを取り替えるように言われ、ガーゼをいくつか受け取りました。
また、手書きの処方箋をもらいました。
9. 支払い
当日支払いはありませんでした。
出血はしていましたが、糸で縫合はされていないので、次回の予約も不要でした。
ちなみに縫合について歯医者でもらった注意事項の書類に、当日以降に取れる可能性があり、緩んでいたら自分で取ってもいいと書いてありました。
日本では歯医者で抜糸してもらったので驚きました。
10. 処方薬の受け取り
家の近所の薬局へ行き、処方箋と免許証、医療保険証を提示しました。
処方薬の受け取りに関する詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください。
15分程店内で買い物をしながら待ち、処方箋を受け取りました。
処方薬も医療保険が適用され、支払いはありませんでした。
抗生物質が1日3回、4日分処方されました。
痛み止めも処方されましたが、痛みがなければ飲む必要はないと言われたので、結局飲みませんでした。
治療後
症状
出血は数時間続きましたが、その後は気にならないようでした。
当日は回復を早めるために、保冷剤を頬に当てていました。
抜歯した箇所を触らないようにも注意し、ストローを使って飲む行為や、食事もしばらく気をつけていましたが、4日目には仕事の都合でステーキを食べていました。
痛みも出血も感じず、本人的にはもう問題ないと言っていました。。
歯医者でもらった注意事項の紙には、歯の衛生を保つために、口のゆすぎや歯磨きをするように書いてありました。
口のゆすぎには塩をお湯を使うように指示がありましたが、夫はやっていませんでした。
抜歯後にの穴には血餅(blood clot)という血のかたまりができ、穴が塞がっていきます。
しかしその血餅が取れてしまったら、穴に食べ物が詰まったりしてしまい、強い痛みが生じます。
この症状をドライソケットと言いますが、ドライソケットにならないように十分注意してください。
治療費
抜歯当日の治療費支払いはありませんでしたが、後日クリニックから請求書が郵便で届きました。
抜歯から約2か月後です。
保険会社にも確認したところ、我が家の保険の場合、パノラマレントゲンは36カ月に1回のみ無料になるそうです。
約2年前、インプラント治療をした際にパノラマレントゲンを撮影しているため、今回は自費になってしまいました。
保険適用で割引されて、$45の請求でした。
請求書には、ステートメントの上部分を切り離し、小切手を同封して返送するように書かれていました。
返信用封筒は入っていませんでした。
保険会社に確認した際に、支払いは保険会社のウェブサイトからも行えると聞いたので、保険会社を通して支払いました。
銀行口座からの支払いか、カードでの支払いかを選べました。
クリニックへの支払い反映までは、1か月近くかかることもあるそうです。
治療に役立つ英単語
- 親しらず wisdom tooth/third molar
- 虫歯 cavity/decay
- 抜く extract/pull/remove
- 上 upper
- 下 lower
- あご jaw
- 神経 nerve
- 角度 angle
- レントゲン X-ray
- 局所麻酔 local anesthesia
- 静脈麻酔 intravenous anesthesia/IV anesthesia
- 全身麻酔 general anesthesia
- 麻痺した numb
- 副作用 side effect
- 縫合 stitch
- 腫れる swelling
- 不快感 discomfort
- 痛み soreness
- 感染 infection
- 患者の署名 patient signature
- 読みやすいようにブロック体のローマ字での署名 print name
まとめ
親知らずは歯の状態にもよりますが、アメリカの通常の歯医者で専門医を紹介された後、初診で抜歯してもらうこともできました。
歯の治療は英語だと説明が難しいこともあるので、事前に日本語で治療内容などを調べておくことをおすすめします。
今回行った歯医者で静脈麻酔をする場合は、予約の6時間前から飲食禁止、24時間運転禁止、靴を履くなど、多くの制限がありました。
ご自分の歯の状態をもとに、体験談を調べておくと不安が減りますよね。
親知らずは抜かなくてもいい場合もありますが、歯列矯正をする場合や虫歯ができた場合は抜歯が必要になります。
親知らずは急に痛むこともあるので、特に女性の場合は妊娠前に抜歯しておくと安心ですね。
抜歯後はドライソケットにならないように気を付けてお過ごしください。
保険内容は人によって異なり、治療費は後日請求される場合もあります。
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