海外生活をしていると、日本の生卵や温泉卵が恋しくなります。
卵を生で食べるためには、新鮮な卵を十分に加熱する必要があります。
低温調理器を使えば、海外でも簡単に温泉卵を作ることができます。
このブログでは、低温調理器での温泉卵の作り方と、鶏ハムの作り方をご紹介します。
また、低温調理器購入時の注意点もご紹介します。
日本の卵はなぜ生で食べられる?
卵で心配なのは、サルモネラ菌です。
サルモネラ菌は食中毒を引き起こし、下痢や腹痛、発熱などの症状があります。
日本の卵が生で食べられる理由の1つは、鮮度が良いことです。
日本の卵の賞味期限は約2週間です。
しかしアメリカでは生食を想定していないため、賞味期限が1か月以上もあります。
生卵やサルモネラ菌については、東邦微生物病研究所のサイトに詳しく書かれているので参照してください。
賞味期限を守り、生食するならなるべく新鮮なうちに食べること。
卵内には殺菌酵素リゾチームが含まれ、サルモネラ菌は10℃以下ではほとんど増殖しませんが、時間が経つにつれ卵の鮮度が下がれば殺菌力も低下してしまうので、必ず新鮮なものを食べましょう。
株式会社東邦微生物病研究所 卵とサルモネラについてより引用
サルモネラ菌は、十分に加熱することで死滅させることができます。
賞味期限が過ぎた卵は、サルモネラ属菌対策のため、十分に加熱して(75℃以上で1分以上または65℃で5分間以上)、食べることを推奨します。
株式会社東邦微生物病研究所 卵とサルモネラについてより引用
すなわち、卵を生で食べるために大切なことは、新鮮なうちに食べることと、十分に加熱することです。
アメリカでも、Pasteurized eggsといって、菌を死滅させるために低温で短時間加熱された卵が売っています。
筆者は見かけたことはありませんが、通常の卵より高額です。
低温調理器を使えば、同じように卵の菌を死滅されることができます。
筆者はアメリカのAmazonで購入した、Wancle Thermal Immersion Circulatorを使っています。
アメリカ在住の筆者は、卵の賞味期限が1か月近くある時のみ、低温調理器で十分に加熱をして食べています。
また、卵は20℃以上になるとサルモネラ菌が増殖してしまいます。
冷蔵保存されている卵を購入し、しっかりと冷蔵庫で保存することも大切です。
低温調理で生卵
卵が固まる温度は、卵黄と卵白で異なります。
卵黄は65℃前後から凝固が始まり75℃以上で完全に凝固する。
日本調理アカデミー 卵の凝固温度より引用
卵白は60℃前後から凝固が始まり80℃以上で完全に凝固する。
サルモネラ菌を死滅するためには、65℃以上で5分間以上の加熱が必要です。
少し卵が固まってしまいますが、65℃で5分加熱が、生卵に一番近くて安心な食べ方です。
筆者は絶対に食中毒にならないためにも、もう少し高い温度で加熱し、温泉卵に近い状態で食べています。
低温調理で温泉卵
温泉卵は卵黄と卵白の凝固温度の違いを利用して作ります。
1. 鍋にお湯をため、低温調理器をセットします。
水から始めると時間がかかるので、お湯を入れるのがおすすめです。
水の量は決まっているので、最低メモリ(MIN)以上入れるようにしてください。
2. タイマーをセットします。
温泉卵は70℃で20~30分加熱します。
我が家では、いつも鶏ハム(68℃で1時間加熱)と一緒に調理しているので、68℃で30分間加熱しています。
3. お湯が設定温度まで温まったら、卵を入れます。
卵は水流で動いてしまうので、ジップロックなどに入れ、重しをのせると良いです。
水の温度が低いうちに、一度ジップロックに入れた卵を水の中に入れ、空気を抜いてください。
調理中に卵が浮かないように気を付けてください。
ちょうどよい鍋がないので、ピッチャーで調理しています。
4. 加熱後は卵を取り出し、氷水で冷やします。
5. 冷蔵庫で少しの間保存すると、より卵黄が固まりまって温泉卵らしくなります。
68℃で30分加熱すると、温泉卵らしくなりました。
卵黄が固まっていて、切っても形を保っています。
68℃で20分で加熱してみました。
温泉卵としては、もう少し卵黄が固まってほしいですが、卵掛けご飯や納豆には良く合います。
低温調理で鶏ハム
お肉を低温調理すると、高温で加熱するより柔らかくジューシーです。
1. 鶏肉をジップロックに入れる
筆者が使っている鶏肉はコストコ(Costco)の胸肉です。
画像の右側赤色のパッケージが胸肉(Chicekn Breasts)で、左側黄色のパッケージがもも肉(Chicken Thighs)です。
それぞれ6つセットで販売されています。
もも肉も同じように低温調理しましたが、食感が異なり苦手でした。
もも肉は唐揚げがおすすめです。
2. 調味料を合わせる
鶏肉の重さを量り、1%の砂糖、1%の塩コショウを混ぜ合わせます。
例えば鶏肉が200gの場合は、砂糖2ℊ、塩コショウ2ℊです。
砂糖と塩コショウだけでも美味しいのですが、醤油や和風だしなどを少し加えると、もっと美味しくなります。
そして、水を少しだけ加えます。
水の量はお肉の水分や醤油などの量によって調整してください。
鶏肉が200gであれば、水分が多くても20mlあれば十分です。
筆者が使っているのは、『鎌田のだし醤油』と『ねこぶだし』です。
日本に一時帰国した時は、必ず入手する商品です。
鎌田のだし醤油は、アメリカAmazonなどでも販売されています。
調味料を肉に揉みこんだら、1時間ほど冷蔵庫で置いておくと、味がよく染みます。
ジップロックの空気はできるだけ抜いてください。
3. 低温調理器で加熱する
お肉は真空状態にするために、水につけてジップロックの空気を抜いてください。
鶏肉も十分に加熱しないと、サルモネラ菌とカンピロバクター菌などが食中毒を引き起こす可能性があります。
お肉の中心部まで十分な加熱が必要なため、お肉の厚みや大きさによって、加熱温度と時間を調整する必要があります。
食肉による食中毒防止のための加熱条件としては、中心部を63℃で30分加熱殺菌する方法と同等以上の方法として75℃で1分間加熱する方法を示しています。
厚生労働省 食肉の加熱条件に係る補足資料より引用
お肉の中心部を63℃で30分加熱するためには、低温調理器の設定温度は63℃より高く設定する必要があり、時間も30分より長くする必要があります。
食中毒にならないためにも、十分な加熱をしてください。
筆者は安全のために、いつも68℃で1時間加熱しています。
4. 加熱後は鶏肉を取り出し、氷水で冷やす
食中毒予防のためにも、早くお肉を冷やしましょう。
まとめ
低温調理器で卵を安全に食べる調理法をお伝えしました。
卵は新鮮なうちに、十分加熱してから食べてください。
低温調理器では、鶏ハムなど色々な調理ができます。
食中毒を予防するため、お肉も十分な加熱が必要です。
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